Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
少し車を走らせると、蒼はケーキ屋の駐車場に車を停めた。



「昨日、クリスマスケーキ食べ損ねただろ?」



確かにそうだけど、蒼と2人きりでこういうとこ入るのは…気がひける。



「リコに悪いし…。」



「話しておきたいことあるから、な。」



私は渋々、中に入った。



ケーキ屋の中にある喫茶ルームでは、落ち着いたクラシック曲が流れていた。



「何でも、好きなの頼んで良いから。」



蒼がそう言うので、遠慮なくアフタヌーンティーセットを頼んだ。



食後にもう一杯紅茶を飲んでいたとき、蒼が意を決したかのように切り出した。



「坂下先生から、伝言。

もう病院には、来ないで欲しいって…。」



「何で…?」



「さあ?」



蒼はそう言うと、コーヒーを飲み干した。



「私が『はい、そーですか』って、言うわけないでしょ!?」



落ち着いた店内に、私の声が響いた。



そんなコト納得できるわけもなく、コートも羽織らずに店を飛び出した。



向かうは当然、坂下の病室。



「おい、アンジェ!」



背後から蒼の声がしたけど、私の足が止まることは無かった。






 
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