Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
引導
このまま日本にいる気にもなれなかった私は、パパがいるイギリスで冬休みを過ごすことにした。



だけど、その前に…ドアの外から坂下の様子を窺うくらいはいいよね?



御用納めの午前中、坂下の病室へ向かう。



ロビーで蒼と鉢合わせた。



「お前な…性懲りもなく来るか?」



「外から見るだけで、会わないもん。」



蒼が、軽くため息をつく。



蒼と2人で病室へ向かうと、先客がいたみたい。



ヒステリックに叫ぶ女性の声が聞こえた。



「何で、あの子を警察に引き渡したのよ!」



「罪を犯したのですから、当然でしょう?」



「どうして捕まる前に、何とかしてくれなかったのよ!」



捕まる前にって…。



坂下と喋っている女性の顔を見ようと、私は中を覗き込んだ。



「あのケバい女、誰だ?」



蒼の呟きに、私は小声で答える。



「先生の奥さん。」



蒼は、私を病室から少し離れた場所へ引っ張った。



「何で奥さんの顔、知ってるんだ?」



「写真見たから。」



納得した…と思われる蒼と一緒に、再びドアに張り付いて中を窺う。



「彼には、今回のことで愛想が尽きました。」



ベッドから上半身を起こしてる坂下は、サイドボードから何かを取り出しながら言う。



「そして、あなたにはずっと裏切り続けられてきました。

もう、うんざりです…。」



手にしたものを投げつけるようにばら撒くと、坂下にしては珍しく大声で言い放った。



「私と、離縁していただきたい!!」










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