Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
「アンジェ、アンジェ!」



気がつくと、坂下が私を揺り動かしていた。



今のは…夢?



だとしたら、夢にアイツが出てくるなんて最悪な気分だ。



「かなり魘されていたので起こしましたが、良かったでしょうか?」



重い頭で、軽く頷いてみせた。



さっきの夢の中で私を呼んでいたのは、坂下だったようだ。



そうだよ、王子様なんているわけがない。



「寝言とか、言ってないよね?」



気になったことを、聞いてみる。



家であんなことされてるなんて知られたくないし、ママの耳には絶対入れたくない…。



「何か言っていたようですが、聞き取れなかったものですから…。

怖い夢でも見たのですか?」



「まぁ、そんなとこ。」



「もう少し、眠った方が良さそうです。

今度は、いい夢が見られると良いですね…。」



坂下は私のおでこに左手を置き、頭を撫でながら、鼻歌を歌いだした。



あれ?この曲…。



私は起き上がって、聞いた。



「坂下、何でこの曲を…?」



「先程、アンジェの携帯が鳴っていたものですから、この曲が好きなのかと思っただけです。」



なんだ…坂下はエスパーなのかと思って、ビックリした。



私は再び横になると、坂下に頭を撫でてもらいながら、子守歌を聴いた。



『いつか王子様が』を歌う、よく見るとちょっと素敵なオジサマ…。



今度は、いい夢が見られそうだ。









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