Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
「誰にでも優しいじゃない、あの義妹にさえも…。」



あー、言われてみれば確かに…。



「正月にあの人が帰って来たとき知ったんだけど、余命宣告されたんだって?」



「…はい。」



奥さんは、クリームソーダを飲み干すと



「今まで私が好き勝手してきたし、最後くらいは…あの人の好きにさせなきゃね。」



そう言って、バッグから紙とペンを取り出した。



よく見ると、年末に坂下が突きつけた離婚届。



「三行半突きつけられてから、あの人を愛してたことに気づくなんて遅すぎよね。」



笑いながら離婚届にハンコ押してたけど、ホントは泣きたかったんじゃないかと思った。



「アナタになら任せられるわ、あの人のこと頼むわね。

それとコレ、あの人に渡しておいて。」



私は、奥さんの署名が入った離婚届を受け取った。



奥さんは席を立つと、私に言った。



「アンジェリーナ、話せて良かったわ。」



私も、良かった…そう思えた。









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