Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
病室に戻ると、蒼が来ていた。



「先生、これ…。」



預かった離婚届を坂下に手渡すと、坂下はそれを蒼に渡した。



「蒼先生、私用を言いつけて申し訳ありませんが、すぐに提出していただけませんか?」



「了解、受理されたら連絡入れます。

ラブラブするのは、その後にしとけ。」



蒼は私の頭をポンッと叩くと、部屋を出て行った。



二人きりになってからしばらくして、坂下が口を開いた。



「つかぬことをお聞きしますが、離婚届を得るために取引等は行っていませんね?」



自分は平気で裏取引するくせに…。



「してないよ。」



半分、あきれるように言う。



坂下はそれを聞いてホッとしたような表情をすると、私に言った。



「アンジェには汚い真似をさせたくなかったので、それを聞いて安心しました。」



本当に良かった…。



坂下は、何度も繰り返し言ったんだ。



それを聞いてたら、坂下にとって奥さんは酷い人だったのかと思うと悲しくなった。



「奥さんは取引持ちかけるようなこと、しなかったよ。」



坂下は微笑むと、私の頭を軽く撫でた。








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