Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
「次は、鐘を鳴らしに行きましょうか。」



他に人がいないのを見計らって、一緒に鐘の前まで行く。



坂下は左手で、私の手を握った。



「アンジェリーナ、愛しています。

…ですが、明日になったら私のことは忘れてください。」



忘れろなんて、そんなの…。



嫌だよ。



だけど坂下は、私の言葉を聞く前に鐘を鳴らした。



まるで、答えを聞きたくないかのように…。



ヒモから手を離した坂下に、私は呟いた。



「先生、ずるいよ…。」



「ええ、あなたのおっしゃる通り、私は狡い。

あなたに手を差し伸べておいて、手を取ろうとすると振り払う。

あなたの気持ちを散々踏みにじっておいて、それでも愛されたいから甘い顔も見せる。

あなたからは愛の言葉をたくさんいただいているのに、私は傷付ける言葉だけを浴びせる。

もうこんな男は嫌だと、要らないと言ってください。」



この期に及んで、坂下はまだ私を突き放すことしか考えてないんだ…。



坂下が私のことを…未来を、大事にしてくれているのは分かる。



だけど、今の私の気持ちは無視するの?



自分の感情さえも、押し込んでしまうの?



私は、そんなの嫌だよ。



私が大事なのは、今だもん…。



私は、坂下の唇を奪った。









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