Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
「アンジェ、このようなことをされては手放す決心が鈍ってしまいます。」



左手で私の手を握ったままの坂下は、右手の指で自分の唇をなぞった。



「放さないでよ…。

嫌なんて、要らないなんて、言えるわけないじゃん…。

好きだもん。

スキでスキでスキで…、もうどうしようもないの。

時間ならまだあるよ、そりゃあ短いかもしれないけど…。

お互いに好きなら、私…先生と、ちゃんと付き合いたい。」



「あなたが、辛いだけ…ですよ。」



「ツライ思いなら、もう散々してる。

告れば最後まで言わせて貰えないし、忘れろって言われたの数え切れないし、自分の子供より若いからって娘扱いされるし、あんなに綺麗な花を使ってまで拒否られるし…。」



坂下の言葉に傷つき、私はツラくてどうしようもなかった。



だけど、ウソをつき続けることしかできなかった坂下も、苦しかったよね?



「ちゃんと、2人で鳴らそう?」



私の言葉に坂下は頷くと、2人でヒモを引き鐘を鳴らした。



「あなたに覚悟があるのなら…、私は死ぬまで手放しませんが、宜しいですね?」



死ぬまでなんて…、死んだって放しちゃヤダよ…。



握られたままの手を握り返すと、坂下はその手にキスを落とした。



ふと気がついたら、2人きりだった鐘の周りに人が集まっていた。



坂下は、照れ臭そうにしていた。








 
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