Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
坂下が後ろから抱くように、私の腰に手を回した。



「こうしておけば、スカートが風で捲れないでしょう。」



そう…なんだけど、確かにそうなんだけど…。



こんな風に抱きしめられたら…、私の心臓は忙しなく鼓動を刻む。



真冬の強風に煽られ、背後には坂下の熱を感じ…熱いんだか寒いんだか分からないくらい。



ただ分かっていることは、遠くない未来にはこの熱が奪われてしまうということ。



私の脳裏に、良くない考えが浮かぶ。



幸せなうちに、死んでしまいたい…。



「ここから落ちたら…死ねるかな。」



「アンジェリーナ。」



非難するような口調で、坂下が私の名前を口にした。



「先生がいなくなるなんて嫌…、1人は嫌なの。

それだったら…今、心中したい!」



私は感情のままに、言うべきでない言葉を…言ってしまっていた。



「その言葉は、今すぐに取り消しなさい。」



既に泣き出していた私は、坂下の言葉も聞かず首を横に振り続けるだけだった。



私が、あんなことを言ったから…。



「降りましょう。」



腕を無理矢理引っぱられ、エレベーターで展望台から降ろされた。









 
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