Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
「何も、降りることないじゃん…。」



展望台から離れ、近くの東屋の中で腰掛けた私は言った。



もう少し、あのまま抱かれていたかったのに…。



「あの場に身を置いては、良からぬ考えに支配されてしまいます。

あなたがそのような考えを持つのであれば…。

やはり、自分の想いはしまい込んでおくべきでした。」



坂下が、まるで後悔するように言った。



そんな風に、言わなくたって良いじゃない…。



「ちょっと、言ってみただけだもん…。」



私の言葉は、坂下の感情を逆撫でたようだ。



「『ちょっと言ってみた』…ですか?

軽々しく口にするべきでない言葉だということくらい、分かっている筈でしょう?」



私は考えるより先に、言葉を発した。



「先生に…。

先生には、置いてかれる私の気持ちなんて分かんないのよ!」



私は泣きながら、駆け出して行った。



坂下の、私を呼ぶ声が聞こえたけれど振り向かなかった。



どれだけ走っただろう。



気が付いたら、ヨットハーバーに私はいた。



私なんかじゃ、坂下と釣り合うわけがなかった。



素直に謝っていたら、こんなことにならなかったかな?



だけど、あんなことを軽々しく言ったつもり…なかったんだ。



しばらくここにいたけど、坂下が追ってくる気配は無かった。



追いかけて貰えないくらい、嫌われちゃった?



まさか、追いかけてる途中で具合悪くなったなんて…ないよね?



私はケータイを取り出し、坂下に架けようと…。



「最悪、電池切れてるじゃん…。」



私は、展望台に向かって走り出した。









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