Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
御手洗いから出てきた坂下が、私に声をかける。



「アンジェ、私はそろそろ帰ら…せ…。」



私の姿を認めると、坂下は目を丸くしてそのまま固まった。



白いベビードールを着た私が、ベッドの上にちょこんと座っているから…。



坂下は、はっとすると何事も無かったように回れ右をし、コートに手をかけた。



やっぱり、帰る気…なんだ。



「帰っちゃ…ヤダ。」



私は、背後から坂下に抱きついた。



「そのようなことを、切ない声で言わないでください。

これ以上、深い関係を結ぶわけには…。」



「先生、お願い…。」



坂下の腕を取り、向かい合うように回り込む。



坂下が手にしたコートの裾が引っかかったのか、デートで持ち歩いていた私のバッグから中身がこぼれた。



あ、蒼から手紙を預かっていたんだっけ。



私は封筒を拾い上げると、坂下に手渡した。



「蒼から預かってたの、渡すの忘れてた。」



坂下は黙って受け取ると、その場で開封した。



便箋を取り出すと、便箋と一緒に何かが出てきて、床に落ちた。



何だろう?と屈んで見たら、ゴムだった。



何で蒼が、こんなものを坂下に渡すわけ!?











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