Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
最初に覗いたショップに比べてお手頃な価格だけど、坂下はちゃんとプラチナのリングを買ってくれた。



ショップから出る直前、蒼を見かけた気がした。



一瞬だったから、自信は無いけど…。



ジュエリーショップに蒼がいるってことは、梨香へのプレゼント買いに来たってことだよね?



確かめようとしたら、坂下に声をかけられた。



「他に気に入ったものでも、ありましたか?」



他に欲しいアクセサリーがあると、坂下に思われてるみたい。



「違うよ、指輪貰ったんだから充分過ぎるくらいだよ。

ただ、蒼を見かけた気がしたから…。」



「ならば、行きましょうか…。」



坂下が半ば強引に私の腕を取り、ショップから出た。



「ちょっと、歩くの速いって!」



私の抗議も虚しく、しばらく歩いてから坂下が立ち止まった。



「余合さんのために確かめようとしたこと、頭では分かっているのです…。」



さっき、坂下は蒼に嫉妬してるって言ったばかりだ。



デート中に他の男を追いかけようなんて、バカなことした…。



「和さんの気持ち…考えてなくて、ごめんなさい。」



私は、坂下の袖をきゅっと握った。



「私も…友達思いのアンジェの気持ちを無視してしまい、申し訳ありません。

今からでも遅くはありません、確かめに行きましょうか?」



坂下の顔に、笑顔が戻った。



「もう、良いや。

それよりも、和さんと2人きりになりたい。」



私がそう言ったら、坂下は顔を赤らめた。



何、想像してるのよ!



手を繋いで、街中を歩く。



私の手を握る坂下の左手には、銀色に輝く指輪がはめられている。



私を包み込むような、暖かい光…。



色は一緒のはずなのに、前みたいに冷たく感じないから不思議だよ…。



私は目の前に手をかざし、日の光に自分がはめている指輪を反射させた。








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