Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
赤信号に捕まり、車を停める。



「ったく、急いでるっていうのによ!」



蒼が声を荒げて、悪態をついた。



さっきまで、なんでこんなに落ち着いていられるんだろう?って思ってたけど、蒼もかなり焦っているんだ。



考えてみれば、蒼は新任の頃からずっと坂下の元にいる。



蒼にとって坂下は、師匠と言うべきか…、目標と言うべきか…、尊敬すべき存在。



ホントは、真っ先に坂下の元に向かいたいはずだ。



だけど私がいるから、その気持ちを抑えていてくれるんだ。



「蒼…、クラスのみんなには、連絡しなくて良かったの?」



「そんなコトしたら、坂下先生がお前と過ごす時間なくなるだろうが…。」



私のこと…というよりも、坂下のことを1番に考えて行動してくれてる。



「蒼は、リコが側にいて欲しくないの?」



「こんなにイラついてる姿、梨香には見せられねーな。」



信号が青になり、車を急発進させた。



蒼も、多分…私と一緒。



坂下の死を目の当たりにするのが、怖くてどうしようもないんだ…。



「まだ、意識あると良いけど…。」



蒼はそう呟くと、アクセルを踏んでさらに加速させた。









 
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