Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
式典が進むにつれ、泣き疲れたのか睡魔が私を襲う。



坂下が亡くなってから一睡もできないのだから、無理もない。



少しウトウトしていると



「坂下HRの生徒は、至急校門前に集合しなさい。」



マイクを通した教頭の声で、目を覚ました。



講堂の扉を開けた蒼が、声をかける。



「早くしろ、坂下先生が待ってるぞ!」



坂下が…待ってる?



その言葉に疑問を抱きつつも、梨香の後に続いて、講堂から外を見る。



『卒業式は、這ってでも行くつもりでいます。』



そう言っていた坂下の言葉を、思い出した。



まさか、霊柩車に乗ってまで来るとは…!!



私が愛した男性は、こんなにもぶっ飛んだことをする人だった?



私は涙を流しながら軽く笑うと、真っ先に駆け寄った。



クラスのみんなも、後からついてくる。



葬儀社の人だろうか、運転席から降りた男性がお棺の蓋をずらした。



私たちと対面させるために、まだ打ちつけていなかったようだ。



お棺の中の坂下は、前髪が額にかからないように整えられ、メガネをかけ、礼服に身を包んでいた。



最近はメガネを外し前髪をおろしたところしか見てないから、久々に見る教師モードの坂下にドキドキした。



今ここにあるは、亡骸だというのに…。









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