Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
僕は部屋中の引き出しを開けて、中をかき回す。



「先生、さっきから何を探しているの?」



「坂下先生が、みんなに宛てた手紙。

梨香も貰っただろう?」



「そういえば、先生とアンジェのこと宜しく頼みますって書いてあった。」



坂下先生、僕は遺言に書かれるほど頼りないのか!?



梨香が、鍵のかかっている引き出しを見つけたのか



「鍵、探さなきゃ…。」



と呟いた。



「鍵がかかっているってことは、この中かもしれないな。」



僕はその引き出しに手をかけ、これくらいの鍵なら壊せそうだと思った。



鍵は簡単に壊れた。



貴重品に混じって、坂下先生の写真と手紙が入っていた。



僕は封筒を取り出し、中身を取り出した。



「ちょっと、人の手紙を勝手に見る気なの!?」



梨香は止めるが、僕は手紙なんかに興味無い。



取り出した2枚の紙のうち、1枚を戻して、もう1枚を広げた。



「婚姻…届?」



これには既に、2人の名前が入ってた。



おそらく手紙に封をする前に坂下先生がサインして、開封した時に僕の目の前でアンジェがサインしたもの…。



僕はペンを手にすると、証人欄に名前を書き入れ、押印した。



「印鑑まで用意してたの?」



梨香が半ば、呆れたように言った。



「梨香、お前も書けよ。」



「でも、私…印鑑持ってないよ?」



「これ使えば?

どうせ、苗字一緒なんだから良いだろ?」



そう言って、僕は梨香に印鑑を渡した。



「アンジェが言ってた“遺書でプロポーズ”って…、このことだったんだね。」







 

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