Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
アンジェの荷物を車に詰め込み、3人でアパートを出た。



車に乗る前に、ふと疑問に思ったことを口にした。



「坂下先生、連れ出したのはいいですけど…どうします?」



アンジェを親指で指し、どこで寝泊りさせるつもりか尋ねた。



「とりあえず、蒼先生に預かって頂こ…。」



「ウチは、無理です!」



僕は、坂下先生の言葉に被せるように言った。



別に、アンジェが嫌いなわけじゃない。



1人暮らししてる男の部屋には、仮住まいとはいえ、置いておけない。



第一、梨香に知られたら何て思われるか…。



「冗談です、妥当なところでウチでしょう。」



坂下先生はそう言うと、運転席に座る。



車は、本人曰く35年ローンの坂下邸へ向かった。



「蒼先生、用事がなければどうですか?一献…。」



坂下先生が、そう言いながら酒を呑むジェスチャーをする。



「お付き合いします。」



僕がそう言うと、何故かほっとしたような表情をしていた。



窓を開けて車を走らせているから、ひと暴れして乱れた坂下先生の前髪が風になびいた。



坂下先生の家に着くと、家族は留守のようだった。



坂下先生も家族の留守中にアンジェと2人でいるわけにもいかず、困ってたのかもしれないな…。









 
< 25 / 243 >

この作品をシェア

pagetop