Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
坂下先生が、冷蔵庫から日本酒とウーロン茶を取り出す。



「困りましたね、すぐにお出しできるツマミが無いようです。」



坂下先生が、頭を掻いた。



後ろから冷蔵庫を覗き込んだアンジェが、声をかける。



「私、何か作りましょうか?」



時々、梨香がアンジェの分まで弁当作っているのを知ってる僕は



「アンジェ、お前に料理なんてできるのか?」



と言ってやった…ら、思いっきり睨まれた。



アンジェがキッチンに立っている間、リビングで坂下先生と2人で寛ぐ。



「坂下先生、前髪おろした方がカッコイイですよ。

女子生徒のファン、増えるんじゃないですか?」



「この歳で増やして、どうしろと言うのですか?」



「いやぁ、僕ばかりがモテるのも申し訳ないようで…。」



「蒼先生は、鬱陶しい方々の興味を逸らせたいだけでしょう?

教員に色気は不要だと思っておりますので、お断りいたします。」



そう言って、坂下先生はタバコに手を伸ばした。



ちっ、バレたか…。



タバコに火を点けようとしたところでその手を止め、アンジェの方を見たかと思うと、庭に出て吸い始めた。



リビングに灰皿があるということは、普段はココで吸っているんだよな?



ふと、美味しそうな匂いがしたかと思うと、アンジェが料理を盛った皿を持ってきた。



コレだけ料理できるんなら、ヒトの彼女に弁当作らせるんじゃねぇ!



…坂下先生に梨香とのことバレたらヤバイから、ココでは言わないけど。



「あれ?坂下は?」



僕は庭を指差し、言った。



「自分ちなんだから、ココで吸えば良いのにな。」



「多分、私に気を遣ってくれたんだと思う。

タバコの臭いは、アイツを思い出すから嫌い…。」



アンジェは眉をひそめると、グラスを取りに行った。



庭に出ていた坂下先生は、手を洗い、口を漱いでから、リビングに戻った。



坂下先生は、そのことをいつから知っていたんだろう…?











 

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