Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
指導室には、生徒1人に対し、教員4人という前代未聞の状態。



「あのぉ…、私もいないとダメですかぁ?」



ウチの副担はこの期に及んでも、まだそんなことを言う。



「あなた、副担任でしょう?

この場を他の教員任せにするのは、無責任過ぎではありませんか?」



女副担は、坂下にそう言われて黙ったものの、何か訴えかけるような目で蒼を見ていた。



あー、この女、蒼に気があるんだ?



年増の十人並みした容姿の女と、社会人1年目の顔だけは整っている蒼とでは、釣り合わねぇだろうが…。



私が座っている椅子の机を挟んだ向かい側にウチの担任と副担が座り、坂下と蒼は私の後ろにパイプ椅子を持ってきて座った。



担任は、相変わらずギャーギャー言ってやがる。



鬱陶しい…。



私の後ろでは、坂下が蒼に何やらレクチャーしていた。



大方、私のような手を焼かせる生徒への対処方法でも喋っているのだろう。



後ろの会話に耳を傾けていると、坂下という奴が蒼とは違った意味で、生徒から慕われている(蒼の場合は、顔だけだ)のが分かるような気がした。



「このままじゃ埒あかないし、坂下先生が説教したらどうです?」



蒼が、口を開いた。



「担任から、仕事を奪う訳にはいかないでしょう。」



「今すぐコレを改心できるのなら何でもいいです、お願いしますよ…。」



とうとう、担任が坂下に泣きついた。



「うわっ…匙投げたし。」



蒼のセリフに、担任がキレた。



「蒼くん、キミに何が分かるというんだ…新任のくせに!」



「とりあえず、教員5年目にもなった副担任が全く使えないことは分かりました。」



蒼が、さらりとのたまった。



蒼に気がある副担は、青ざめた顔をしている。



ふふふっ、面白いわコレ。








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