Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
制裁
帰りの新幹線、私たちの後ろに坂下と蒼が座ったので、シートを回転させて向き合って座る。



私は坂下と向き合うのはツライけど、梨香が喜ぶから。



「余合さん、席を替わりましょうか?

窓側の方が景色が見えやすいですよ。」



坂下にそう言われた梨香は席を替わり、私と向き合って座った。



坂下のことだから、蒼の隣に梨香を座らせようと画策したに違いない。



こんなに近くにいたんじゃ、坂下のこと忘れようと思っても無理じゃん…。



恨めしく思いながら隣に座った坂下を見ると、坂下は私の方を見て微笑みかけた。



う…嬉しいじゃないかっ!



…悔しいケド。



4人で、スピード現像した写真やデジカメのデータを見ながら喋る。



私の舞妓姿のデータを見た蒼が、口を開いた。



「アンジェは美人だから、舞妓さんよりも花魁の方が似合いそうだよな。

『お大尽、一服のみなんし。』…なんてな。」



蒼の声色を変えたセリフがおかしかったらしく、梨香が笑う。



お金欲しさに身体売るような女の格好が似合うとか、言われたくない。



グラビアで収入得てるから似たようなものかもしれないけど、私は絶対に脚なんて開いたりしない。



好きでもない人に触れられるなんて、もう嫌。



何も知らない梨香ならともかく、蒼はアイツとのこと知ってて…そう言うの?



私は、唇を噛んだ。








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