Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
家に帰り、一輪挿しの花瓶にバラを挿す。



アメの袋に、メッセージカードは無かった。



坂下からのメッセージカード、欲しかったな…なんて思ったら、贅沢か。



バラまでくれたんだもん。



あ、そういえば…花って、花言葉っていうのがあったよね?



もしかしたら、坂下は花言葉にメッセージを託していたりして…?



そう思って、ネットで調べてみた。



バラは、色によっては花言葉が違う。



好きな人から貰えるなら絶対に赤が良いな…って思いながら、書いてあることを読み進めていく。



蕾になると、また違った意味になるというのだから、花言葉というのは面白い。



白いバラの蕾の花言葉を読んだところで、カーソルを動かす手が止まった。



私は、坂下がくれたバラに視線を移した。



坂下はこんなに綺麗なものを使ってまで、私を拒絶しようというの?



私が苦しむ姿は見たくないって言っておきながら、こうして部屋で坂下を想いながら泣くのは構わないワケ?



花言葉なんか調べずに、ただ綺麗って無邪気に喜んでいれば良かった…。



すっかり暗くなった部屋で、私は声をあげて泣いた。



白いバラの蕾の花言葉は…



『心にもない恋』



『愛するには若すぎる』



二つの言葉が、鋭い刃物のように突き刺さり、私の心を抉っていった…。















 





< 86 / 243 >

この作品をシェア

pagetop