Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
その時だった。



「そこで何をしている!」



声をした方を向くと、教頭がいた。



マズイ!



そう思った私は、坂下から離れた。



教頭は坂下の肩を掴み、自分の方に向かせると問い詰めた。



「坂下、そのスカーフは?

まさか貴様、生徒に手を出したのか!?」



それに対し、坂下は答えようとしない。



どうして、何も言わないの?



私が勝手にしたことだって、言えばいいのに…。



このままじゃ、坂下が処分される!



「違…っ!」



そう言いかけたところで、坂下に口を塞がれた。



「アンジェ、もう遅いですから気をつけて帰りなさい。」



坂下の言葉に、私にも事情聴取する気でいた教頭が目を剥いた。



坂下は持っていたスカーフを私の胸元で結ぶ際、小声で呟いた。



「あなたに責めが及ばないよう、努力します。」



教頭が、坂下を連れて行った。



坂下に帰るように言われた私は、2人の後をついて行くことができなかった。



坂下たちの姿が見えなくなり、校舎を出た。



校門で待つ梨香の姿を見た瞬間、涙がこぼれた。



私が梨香の前で泣いたのは、これが初めてだった。



梨香は私が泣く理由も聞かず、一言



「帰りましょう。」



とだけ言って、私の手を取った。



その晩、坂下にお詫びのメールを入れたのに…。



一晩中待っても、返事は返ってこなかった。








 




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