【完】そろり、そろり、恋、そろり
初めての朝 side:M
箸を休めることなく次から次に食べていく拓斗君に胸を撫でおろした。
朝目覚めると、隣に居る彼の存在に昨夜のことを鮮明に思い出さされ、照れる気持ちを隠すように、料理をする事にした。
不思議と料理をしていると気持ちが落ち着くから。顔が火照るのを感じながら服を身に纏い、2人の部屋の冷蔵庫にあるもので朝食を用意した。
それにしても本当に拓斗君って、作り甲斐のある食べっぷりだよね。嬉しくなって、私も彼と同じように、どんどんと箸を進めていく。
お腹も満たされていくけれど、彼と一緒に食事をすると心も満たされる。
「ごちそうさまでした」
食べ始めと同じように、拓斗君はしっかりと手を合わせてくれている。そして何かを思い出したかのように、あっ、と彼は声を出した。
「どうしたの?」
「麻里さん、渡したいものがあったんだ」
そう言って、椅子から立ち上がるとバタバタと寝室の方へと駆けていった。慌てなくても、ここにちゃんといるのになと、後姿を眺めながら、くすくすと声を漏らした。
――ガタ、ガタ
何をしているのか、寝室からは大きな物音とあれ?という声が聞こえてくる。拓斗君は一体何をしに行ったんだろうか。あんなにも慌てて。
朝目覚めると、隣に居る彼の存在に昨夜のことを鮮明に思い出さされ、照れる気持ちを隠すように、料理をする事にした。
不思議と料理をしていると気持ちが落ち着くから。顔が火照るのを感じながら服を身に纏い、2人の部屋の冷蔵庫にあるもので朝食を用意した。
それにしても本当に拓斗君って、作り甲斐のある食べっぷりだよね。嬉しくなって、私も彼と同じように、どんどんと箸を進めていく。
お腹も満たされていくけれど、彼と一緒に食事をすると心も満たされる。
「ごちそうさまでした」
食べ始めと同じように、拓斗君はしっかりと手を合わせてくれている。そして何かを思い出したかのように、あっ、と彼は声を出した。
「どうしたの?」
「麻里さん、渡したいものがあったんだ」
そう言って、椅子から立ち上がるとバタバタと寝室の方へと駆けていった。慌てなくても、ここにちゃんといるのになと、後姿を眺めながら、くすくすと声を漏らした。
――ガタ、ガタ
何をしているのか、寝室からは大きな物音とあれ?という声が聞こえてくる。拓斗君は一体何をしに行ったんだろうか。あんなにも慌てて。