飴と道楽短編集
―小novel説―【5P】
「もう、そんなにはしゃいだらこけてしまうわ」
「大丈夫だって!」
幼い頃……
俺は他愛も無い事に付き合ってくれる幼なじみが好きだった。
彼女以外、歳の近い子供が居なかったと云うのも有る。
それでも俺の方が二、三歳下で少年遊びにも積極的に誘っていたが、彼女は着物が汚れる事に構わず付き合ってくれた。
川遊び、蜻蛉(とんぼ)取り、時たま彼女の提案で綾取りも――
自ら悟った初恋が、彼女で良かったと思っていた。
幼い少年心はこの淡い気持ちと彼女の隣という居場所が、永遠に続くものだと思っていたのだ――