飴と道楽短編集
Mr.%j$湲 of forest【4P】
Mr.%j$湲 of forest
普段なら何の問題もなく森を抜けられるのだが。
今の時期が悪い事を忘れる程、祖母の容態が心配だった。
この森を通らないと祖母の所へは行けない。
(しまったな……)
だが冷静な自分に少し驚いてもいる。
目の前のそれは、子連れだった。
森に住む、黒い主……
「……」
彼はその月の様な金色の瞳で私を見ている。
突然の私の登場に驚いたのか、彼も動かなかった。
彼の影に隠れる様に、小さな黒が居る事を私は目の端で視認する。
この時期は…そう、
幼い我が子に食料探しを教える頃だ。
そして外敵から子に危害が及ばない様、この期間、彼らはとても気が立っているのだ。
森の近辺に住む住民は、そんな事百も承知。
だが……
出会ってしまった。
身の危機どころか命の崖っぷちに立たされた私。
――とうとう彼は威嚇をした。
「あぁあっ!!」
私は彼の威圧に腰を抜かす。
やばい。
気が立っている時の彼らに出会って命があった者程、惨い。
半身を失ったり、一生光を見る事が叶わなくなる。
私もここで、一生の一部、又は全てを棄てる事になるのか。
普段なら何の問題もなく森を抜けられるのだが。
今の時期が悪い事を忘れる程、祖母の容態が心配だった。
この森を通らないと祖母の所へは行けない。
(しまったな……)
だが冷静な自分に少し驚いてもいる。
目の前のそれは、子連れだった。
森に住む、黒い主……
「……」
彼はその月の様な金色の瞳で私を見ている。
突然の私の登場に驚いたのか、彼も動かなかった。
彼の影に隠れる様に、小さな黒が居る事を私は目の端で視認する。
この時期は…そう、
幼い我が子に食料探しを教える頃だ。
そして外敵から子に危害が及ばない様、この期間、彼らはとても気が立っているのだ。
森の近辺に住む住民は、そんな事百も承知。
だが……
出会ってしまった。
身の危機どころか命の崖っぷちに立たされた私。
――とうとう彼は威嚇をした。
「あぁあっ!!」
私は彼の威圧に腰を抜かす。
やばい。
気が立っている時の彼らに出会って命があった者程、惨い。
半身を失ったり、一生光を見る事が叶わなくなる。
私もここで、一生の一部、又は全てを棄てる事になるのか。