飴と道楽短編集

三人で無理矢理この屋敷に連れて来られて。

それがもう使い物にならないからと、二人は何処かへ送られてしまった。

それから数週間が経つ。

初めは抵抗していた自分も、もうどうしようもない実感と、自分の無力さに呆れてしまった。

いっそ死んでしまいたいとも思ったが、その勇気すらなく。

そんな自分にも絶望して、だんだん、だんだん、表情が消えていった。

何も見出だせなくて
あれだけ暴れて刃向かっていた事も嘘の様に
ただ屋敷の主の言われるままになって。

普通の行為ではなんの反応も示さなくなった自分を、それでも黒川は抱いて一人で果てる。

まるで死姦されているみたいだと思った。





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