逆境の桜
決意
文久3年4月の上旬。
暖かい春風と共に流れてきた噂に我々長州は頭を悩ませていた。
噂とは最近京に出来た会津御預かり京都守護職の壬生浪士組だ。
彼等は身分は低いが剣豪が集まっている。
きっと味方につけたらかなりの戦力になるだろう。
どうにかしてこちら側に引き入れられないだろうか....。
「さくらー僕の話聞いていたー?」
チッ。人が考え事をしていると言うのに....。
「聞いてないよ?私が小五郎の話を聞くほど暇に見える?」
「そ、そこまで言わなくたっていいじゃないか!」
「くっくく。見たか稔磨?小五郎の奴フラれてやがる。」
「ぶふっ....」
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