逆境の桜
。*土方side*。
八重がいなくなった。
「ったく!アイツは目を離すとすぐにいなくなる!」
そんな時、八重から貰った無線機が反応した。
俺はなんとなく........いや、絶対に八重だと思った。
「おい八重!お前今どこにいるぅぅぅぅう!?飛行機ごとなくなってるじゃねえか!」
《ふふふ。最後に怒鳴り声が聞けて良かった。》
「あ?お前....最後って.......」
俺は何故かこの時に胸がざわついた。
しかし、その理由は八重の次の言葉で分かった。
《もうね、燃料が足りないの....。私、新選組に出会えて良かった。感謝してる。土方....今まで私の面倒見てくれてありがとね。最後に大きな迷惑かけてごめんね?私、頑張るね。》
「ふざけんな......謝るなら帰って来いよ....お前がいなきゃ日本はまとまらねえ!お前がいなきゃ俺らは生きていけねえ!頼む八重!帰ってきてくれ!お前が必要だ!頼む....桜!」
《....ごめ....ん....ね。......こんな....私を…....必要だって....言って........くれ........て........ありが....とう。........さよ....な....ら。土方........。》
「待て桜!無線切るなよ!切ったらお前....ブツッ........」
「くそぉ!!!アイツ切りやがった!何でだ!!桜...っ........俺は................まだお前に....................伝えてねえじゃねえかよ................さくら........っ............」
泣くなら....行くなよ............辛いなら....行くなよ................行きたくねえなら....................行くなよ............なぁ............さくらぁ....................。