逆境の桜
「....冗談は....やめてくださいよ!全然笑えませんよ!」
「冗談などではない!事実だ!冗談だったらどんなに良かったことか............」
なんで........
貴方がそんなに悲しそうなの?
「....兄と....親しかったのですか?」
「あぁ。私達は幼なじみなのだよ。」
幼なじみ........
「あいつは....辻斬りにあって死んだ。」
「っ........」
「あいつが生きていれば....今頃はあいつが会津藩主だったんだろうな。」
そ....んな............。
「お主....よく見ると修太郎に似てるな。」
そう言った松平容保は悲しそうなの顔をして私を見ていた。
きっと兄と重ねて見ていたのだろう。
既に兄はこの世を去ったというのなら........
私は今できることを................
兄ができなかったことをやってやろうじゃない。
メソメソしてたって何もはじまらない!
傍から見れば冷酷な女かもしれない。
でもメソメソしてたって兄だって喜ばないもの。
私が今やるべき事は会津と同盟を組むこと。
私は切り替えるべく両頬を叩いた。