逆境の桜
少しの休暇
無事に会津と同盟を組み、私は少しの休暇が出たため長州へ帰った。
みんなには内緒で帰るからきっと驚くだろうな〜!
我が家の引き戸を開け、私は数カ月ぶりにこの言葉を発した。
「ただいま!」
ドタドタ、バタバタ。
「桜ぁ〜!お帰り!」
「ぐわっふ」
帰った瞬間に私に飛びついてきたのは春だった。
「ただいま!春!元気だった?」
「元気じゃないわよ!桜がいなくて凄く寂しかったんだから!」
「ふふふ。ごめんごめん。」
「晋作から色々話は聞いていたけど、本当に桜はよく頑張ったよ!」
ズキンッ。
久しぶりに聞いた名前。
まだ完全に立ち直れていない私には名前を聞くのですら辛かった。
「桜?どうしたの?」
「え?あ、大丈夫よ!疲れただけ!それよりお腹空いちゃった!久しぶりに春の御飯食べれると思うと嬉しいわ。私、自室にいるね。」
「....まかせて!美味しいの作るから!」
今の....不自然だったかな?
「ふぅ..........うぅ....」
自室に入ると急に安心して涙が止まらなかった。