逆境の桜






私は中に入ると廊下を歩く松平を見つけた。



「松平殿!何故です!何故新選組を襲ったのですか!」



「....お前と手を組んだからだ。」





「私と....って松平殿も私と同盟を結んで下さったではないですか!」




「まだ分からぬのかっ!私はずっとお前を騙していたのだ。」




「........!何故です!」





「私はお前等兄妹が大嫌いだ。お前の兄は辻斬りになんかあっていない。私がこの手で殺めたのだ。アイツがいては私が藩主になれないからな。」





「なっ!何て卑劣な....!兄の仇は私がとる!」






「待つが!ここではいかんが!」




「離せっ!」




抜刀した私は坂本さんに羽交い締めにされて身動きが取れなかった。





「ふん。お前もいずれ私の手で殺めてやる。」






それだけ言うと松平はどこかへ行ってしまった。
 


許せない。松平容保........お前は私が斬る。





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