逆境の桜






私は今坂本さんの宿にいる。





どうやってここまで戻って来たのか分からない。

 



良く考えれば兄が辻斬りに合うだなんておかしい。



私よりも強い上に外に1人で行くような頭の悪い人間ではない。




油断してたんだ。




全てが上手く行きすぎて。




 

「松村殿....これからどうするつもりじゃ。」 




「....戦....。」 




「何!?まさかおまん!」




「長州と薩摩と新選組で会津を潰します。松平は私がこの手で。」



「戦はいかんが!罪のない人達まで巻き込む事になるぜよ!」




「会津の者は例え罪がなくとも滅ぼします」
     



「おまんの母君もがかえ?」




「はい。例え母だろうと会津の者には代わりありませんから。」




「何故そんな事が言えるが!松村殿が今ここにおるのは、おまんの母君が産んでくれたからじゃろ!そんな母君を殺せるかえ!?」





「できますよ。私、母の事を母として認めていませんので。今私に家族はいないのです。誰がなんと言おうと戦は行います。」





「勝手にせえ!わしは知らん!戦にも協力しないが!おまん誰かえ....。わしの知ってる松村殿はそんな薄情な奴じゃないきに。」




 
そう言うと坂本さんは部屋を出ていった。




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