逆境の桜
「それももう決めてあるよ。私のいない間は....小五郎に任せる。」
私が言うとずっと黙っていた小五郎が口を開いた。
「分かった。桜のいない間は任せてくれ。ただし、必ず長州(ここに)戻って来ると約束しろ。」
約束........ね。
私が約束を破れないと分かっていて言うのだから狡いよ。
「分かったわ。約束ね。」
「よし。決まりだな。桜、頑張って来い。」
「うん!」
「桜。怪我すんなよ?」
「稔磨もねっ?」
「おう!」
「桜?頑張ってね?私、待ってるから!」
「うん!春も体調には気をつけてね?」
「私はこう見えても体は丈夫なの!」
「あぁー....えと....頑張れよ?怪我したら承知しねぇからな」
「晋作もね?晋作は昔から怪我ばかりだから」
「るせぇ。わあてっるよ!」
「くすっ。」
「なっ!笑うなっ」
こうして長州での最後の夜は5人で過ごし、桜は日が登る前に出て行った....