僕らの夢のお話

不愉快だ。


そう隣の由紀にも聞こえるかどうかわからないぐらい小さな声でつぶやき、裕樹はかばんをもって教室を出て行った。


由紀「裕樹待ってよ。どこいくの？！先生ごめんなさい。朝ですけどあたしたち早退します！」


普通なら教師が追っかけてくるだろう。


しかし、なぜなのか。


止めも追うこともしてこなかった。


由紀は裕樹を追うために教室を出たとき、クラスの少しざわついた声がひどく耳障りに感じた。


しかし、由紀はすこし安心していたのだ。


拓哉の席がないのに、すごく怒りを覚えた自分。


だが、それとは裏腹に冷静に何も感じていないかのように見えた裕樹。


ずっと仲が悪そうで仲が良かった３人。


それがもうなくなったのかと一瞬思ってしまった。


そうではなかったと、裕樹の背中を追っかけながら由紀は安心していたのである。


由紀「ん？」


その時ふと思った。


何かおかしい。


もし嫌がらせで席を誰かがなくしたとする。


そう。何かがおかしいのだ。