桐の花
本来なら公家の娘として、何不自由の無い生活を送っていたであろう雛子。


しかしこの揺れ動く激動の時代、そして当主をなくした片桐家は嵐の中の小舟のごとく簡単に荒波にのまれそうになった。


そんな時にふってわいた雛子と笹川家との縁談。


世が世なら平民風情の笹川家などとの婚姻などかなわずはずなのに、片桐家の借金を肩代わりする代わりにと雛子が笹川家に差し出されることになった。


これからの時代、古いしきたりにしがみついているよりもこの時代を生き抜く力のある人に嫁いだ方が幸せだろうという菊枝の判断もあった。


< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop