だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
「もちろん、本気じゃなく言った言葉も、カタチにしてしまえば本当になることだってあるよ」
優希の顔が少しだけ翳った気がした。
想い出して、噛み締めているかのように。
「でも、みっちゃんのソレは違うのがわかる。どうやったら一緒にいられるのか、どうすればお互いがそのままでいられるのか」
どうやったら、一緒にいられるのか。
どうすれば、お互いがそのままでいられるのか。
「そういうことを考えてくれてるのがわかる。だから二人で言いたいことを言って、これから先のことを考えていけるんだよ」
それは、なんて強い絆なんだろう。
私は怖くて踏み出せないところなのかもしれない。
「どれだけ一緒にいられるか、なんて、まだわかんないよ。でも、想ってることをわかって欲しい、と想うから。我が儘も、嫉妬も気持ちも」
我が儘も。
嫉妬も。
気持ちも。
曝け出せる優希に憧れて、そんな優希がとても素敵だと思った。
優希の笑顔は、充君との未来を見据えた顔だった。
私もそんな顔を出来ているのかな、と優希の横顔を見ながら考えていた。