だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版





圭都に一緒に暮らそう、と言われてから約一ヶ月。

今は引越しの準備をしている。


家の荷物は二十歳になってから一人暮らしをしているせいで、かなりの量になっている。

荷物を整理するだけでも一苦労だ。



この忙しい中、引越しの荷造りをするのは無理なので業者に全部任せることにした。

私は必要な物とそうでない物の選別をしておかなくてはいけない。


休日出勤の日だけは夕方に家に帰れるので、その短い時間で準備を進めていた。




「シグ、そろそろお昼にしましょうか。もう十三時過ぎたことだしね」


「そうですね。書類の整理も終わったので、大丈夫です。いつもの買いに行きますか?」




水鳥さんが頷くのを確認して、作っていた報告書のファイルを閉じた。

サーバーの中には沢山の報告書と企画書。


私と水鳥さんのフォルダは、他の営業のための事務書類が詰め込まれている。



忙しくなると色々と面倒になるもので、お弁当を作らず水鳥さんと二人で食事をすることが多くなった。

とは言っても、パソコンに向かいながら買ってきたものを食べるだけだ。


最近のお気に入りは、野菜がたっぷり入ったサンドイッチなのだ。

日替わりでメニューが選べて、野菜の量が調節出来るところがとても気に入っている。




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