だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
「私の両親も、そう思っていてくれるんですかね」
少し弱気な声になってしまった。
これからやってくる沢山の問題が頭の中をちらついた。
確かに元気で生きている。
仕事もして自分で生活している。
でも、私は。
ママを一番苦しめるものを隠している。
「当たり前よ!どんな親も、子供を大切に思わない親はいないわ!」
大きな声で必死に言ってくれたおばさんがとても嬉しくて、私は大きな声で笑った。
それを見ておばさんは、あらやだ、と言って一緒に笑ってくれた。
こんなに気を許して話が出来るのは、今日ここでしか関わりがないからなのかもしれない。
ある程度、私とおばさんが『無関係』だから。
「そうですよね」
「あら、何か悩みでもあるの?私でいいなら聞くわよ」
「でも、ご迷惑では・・・?」
「いいのよ。悩み事は新居に持って行っちゃいけないと思うわ。おばさんが、聞いてあげるから!」
そう言って、どん、と胸を叩いた。
その仕草からちょっとだけ昭和の匂いがしたことは、内緒にしておこうと思った。