だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版





私は少しだけママの話をした。

再婚してお母さんが出来たこと。

そのママは私のことを本当の娘のように可愛がってくれていること。


そして、ママには言わずに恋人と一緒に住むのを決めたこと。

恋人を紹介すべきかどうか、悩んでいること。



上手く伝わったかわからないけれど、湊や圭都のことを隠して簡単に話をした。

時折、作業の手を止めて真剣に考えたり、質問をされたりしながら、おばさんは最後まで話を聞いてくれた。




「すみません。こんな話をしてしまって」




話し終わってもおばさんが何も言葉を発しなかったので、申し訳なくなって謝った。

こんな話を聞いてくれて、それも初対面で。


何も言えなくなるのは当然なのに。


考え無しに話をしてしまったことを、心から後悔していた。

そんな私を見抜くように、おばさんはそっと笑ってくれた。


その顔が、さっきと同じように優しいままだったので、少し涙が出そうになった。


その場からおばさんが立ち上がって、ベランダを指差していた。




「少し、空気を入れ替えましょうか」


「あ、はい」




男性の作業員の人は大きな荷物を運んでいるところだったので、部屋にはいなかった。

二人でベランダに並んで、少しだけ外を見ていた。




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