だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
それから数日後、水鳥さんにはすぐに報告をすることにした。
圭都と二人で今までの経緯を話すことに決めた。
聞けば圭都も水鳥さんに話していないことが沢山ある、ということだった。
どうでもいいことは全部筒抜けなくせに。
「水鳥さんには、聞いてもらいたいだろう?」
私に向かって圭都はそっと言った。
私は小さく頷いた。
私たち二人のことを心配してくれた人。
そして、湊のことを知っている人。
何より圭都をずっと支えてくれた人。
きっと、驚くことは沢山あるのだろうと思う。
それでも分かってもらえる気がしていた。
案の定、水鳥さんはあっけらかんと話を受け入れてくれた。
話をした私たちが驚くほど簡単に。
湊と圭都が兄弟であったことにも、動じる様子はなかった。
それどころか、納得したというような表情を浮かべていた。
水鳥さんが話を聞いてくれたことに本当にほっとしていたのは、きっと私のほうだと思う。
どこかで、抱えきれないものを理解して欲しいと思っていたのだろう。
圭都が水鳥さんに伝えようと言ってくれたのは、きっと。
私が不安を吐き出せる場所を作るためだったのかもしれない、と思って少しだけ申し訳ない気持ちになった。