だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
懐旧..カイキュウ
『うわぁ・・・』
さっきまで晴れていたのに急に雨が降ってきた。
今日はほとんどの講義が休校で、四講のみの授業の日だ。
担当教授が出席メインの評価をするため、休むのは得策ではない気がしていた。
二月になったというのに今日はとても暖かい。
冬の寒さが厳しいはずのこの季節に雨が降るなんて、不思議な気がしていた。
夜になると間違いなく雪になり、道は凍って歩きにくくなるに違いない。
それを考えると尚更学校に行くのが嫌になってしまった。
二年目の冬にしてこんな調子では、この先が思いやられるなと自分で落ち込んでしまった。
「雨・・・か」
とはいえ、雨が嫌いわけではなく、凍る道が嫌いなだけだった。
こんな時期に雨に出会えるなんて思わなかったので、予想外のプレゼントをもらった気分になった。
――――プルルルル、プルルルル――――
突然鳴り出した家の固定電話に驚いて、心臓がうるさい。
こんな昼間に電話がなることは滅多になく、急ぎの電話なら携帯に来るはず。
留守番電話に切り替わるのはすぐだ。
イタズラ電話の可能性が高いので、とりあえずそのまま待つことにした。