だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
秋。
大切なことを共有できる人を見つけた。
一番辛い記憶も一番苦しい想いも、そのまま受け止めてくれる人を。
過去を一緒に背負うことが出来ると。
櫻井さんの想いに救われていると、知った。
一人では抱えきれないものも、二人でいることで大切に出来るのだと知った。
受け入れてしまう怖さと、受け入れてくれる安心感に葛藤ばかりが積もる。
ねえ、湊。
貴方はこの人に、何を託したのかな。
貴方と同じ面影を持つ、そんな大切な人に。
受け入れがたい事実ばかりが目の前に広がる。
そんな中でこの人を受け止めることを、どんな風に見ているのかな。
湊の想い出を。
湊の気持ちを。
湊のカタチを。
二人で分け合うことは、間違っていないかな。
貴方の大切な人を、貴方を想うように。
私はそんな風に大切にしていけるのかな。
これから起こる全てのことに、覚悟を決めていかなくてはいけない。
冷たく厳しい冬に耐えるように。
大切なものを探して、今日も『今』を生きるOLの物語、最終章。