だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
私の部屋は白や淡い黄色、所々に赤い色も合った。
女の子らしい可愛らしい部屋。
家具は全て薄めの木目で、小さなシングルベッドの上には赤と白のチェックで白い花のプリントがされたカバーがかけられている。
綺麗にアイロンがかけられて、いつでも使えるように。
「お前、こんな可愛らしい部屋にいたの?」
「いたの」
二人で顔を見合わせて笑った。
今の私の部屋からは想像も出来ないようなこの部屋に、可笑しくなってしまった。
圭都は私のベッドに腰掛け、枕元にあるピンクのふわふわしたハート型のクッションを抱き締めた。
私はそれを横目に自分の学習机に座る。
一つひとつ引き出しを開ける。
一番上には勉強する時使っていたペンやメモ帳が沢山入っている。
二段目には写真。
三段目には使いかけのノートと昔使っていたらくがき帳。
線のない紙を使うのが好きだった私は、いつもらくがき帳を使っていたのを思い出す。
今でもメモ帳は無地のものを使っている。
そして四段目。
一番大きなその引き出しは、自分の秘密を詰め込んだ場所。
昔の日記に友達からの手紙。
小さな頃からの年賀状や今までの卒業アルバム。
そして、綺麗な細工の施された小さな箱。