だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
存在...ソンザイ
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「圭都、手伝う」
「おう。もう大丈夫か?」
うん、と小さく頷いて、キッチンで料理をする圭都の隣に立つ。
二人でご飯を作ってお父さん達を待つことにした。
と言っても、ほとんどは圭都が用意してくれて、私はさっきまでリビングのソファーで横になっていた。
冷たいタオルが、私の目には乗せられていた。
キッチンから聴こえる手際よく料理をする音。
立ち込める夕食の匂い。
圭都は全身に料理の匂いを纏いながら、時折私のタオルを取り替えてくれていた。
おかげで、割れるように痛かった頭も開かなくなった瞼も、とても楽になった。
泣きすぎたせいでまだ目の上が重たいけれど、頭の痛さが引いたので動くことが出来る。
圭都に全部してもらうわけにはいかないので、私も一緒にキッチンに立つことにした。
「今日は和食三昧だね。お味噌汁、どうする?」
「何にしようかと思ってた。何がいい?」
うーん、と考えながら、私は冷蔵庫の中をみる。
丁度なめこがあったので、それを手に取った。
振り向いて圭都に見せると嬉しそうに笑っていたので、問題ないということなのだろう。