だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
「圭都が此処にいてくれることが。今、とても嬉しいの」
隣で呼吸をして。
同じものを目に映して。
一緒に傷付いて。
その傷を癒して。
苦しくて、藻掻いて。
それでも一緒にいたい、と。
そう、想った。
想ったんだよ。
「圭都を愛してるから」
それ以外の言葉なんて、今はないよ。
どんな圭都でもいいよ。
今此処にいる圭都を、心の底から愛してるから。
「二人のほうが、命の大切さを知ってるでしょ?毎日向き合って、その強さも儚さも知ってる。違う?」
お父さんは静かに私を見た。
ママは、顔を上げてはくれなかった。
「どんな理由であれ、圭都が生まれてきたことに意味はあって。圭都が望まれて生まれてきたことに間違いなんてないよ。圭都の生きている意味を、ママに否定なんてさせない」
湊。
貴方の言葉が私の背中を押してるよ。
かけがえのない言葉を、本当にありがとう。
傍にいない貴方が、こんなにも私を強くしてくれた。
この家には湊の気配が沢山ある。
その全てが、私の背中を押してくれているよ。
愛してる。
今も変わらず。
こんなにも、貴方を想ってる。