だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版





お風呂上りにお部屋でご飯を食べてから窓際で二人並んで座っていた。

隣でビールを飲んでいる湊の横で、甘い缶チューハイを少しずつ飲み込んでいた。


未成年だけれど、今日くらいは、と湊が勧めてくれた。

飲んでみると特にお酒に酔うこともなく、気付けばもう三缶目に口をつけていた。


お父さんもお酒が強いのでしっかり遺伝しているのだな、と確認をしていた。



遠くのテレビが年末の番組を放送している。

あと十分で今年が終わろうとしている。




「月が、明るいね」




目の前のガラスを見つめながらぽつりと言った。

その言葉に湊は優しく目を細めた。



手に持っていたビールを机に置いてテレビを消しに行く。

音がなくなった部屋の中で、湊は携帯電話を取り出した。




「どうするの?」




不思議な湊の行動から私は目が離せずにいた。


湊はどこかの番号を押すと、携帯電話を机の上に置いた。

そして、スピーカーフォンにしたまま無機質な音が流れるのを聞いていた。




――――ピッ、ピッ、ピッ、ポーン

午後、二十三時、五十一分、四十秒をお知らせ致します――――




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