だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
面影...オモカゲ
――――――――――――――……
―――――――――――――……
ご飯を食べ終えて、リビングのソファーからベランダを見つめていた。
圭都は白い息を吐きながらベランダでタバコを吸っている。
缶ビールを片手に肩をすくめながら。
私は暖かい部屋の中からその背中を眺めていた。
寒そうに丸まった圭都を見て、微笑ましい気持ちになる。
「さむっ」
そう言ってベランダから戻ってくると、まるで暖を取るかのように私を抱き寄せた。
冷たくなった身体にびっくりして思わず身体が固まった。
「ちょっとっ!冷たいですってばっ!」
思わず声を上げて抵抗するが、そんなことはお構いなしだ。
触れられた場所がひんやりと熱を失っていく。
身体がぶるっと震えた。
「悪い。大丈夫か?」
そんなに心配そうな声を出すくらいなら、最初からしなければいいのにと呆れてしまう。
ただ、こんなわかりきったやり取りでも私たちにとっては大切なスキンシップだということも、ちゃんと理解していた。
「大丈夫ですよ。圭都さんの手が冷たいのはいつものことですから」
そう言って笑って見せた。
でも、圭都は少しだけ顔を曇らせた。