だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
年末の業務は慌しく終わりを迎えた。
大晦日になってやっと落ち着いた感じがしていた。
結局、全部の仕事を何とか片付けて仕事終わりを迎えた。
と言っても、終わったのは昨日の夜遅くで、私と圭都はへとへとになっていた。
松山と篠木はしっかりと休みを取ることになり、水鳥さんと部長は元旦の夕方から仕事が入っている。
仕事を詰め込んだ私と圭都は、三日までしっかり休むことが出来そうだった。
駅前の大型ビジョン近くにある百貨店の地下では、森川と第一の営業数名が待機している。
CMの放送まではあと一時間。
準備はほぼ終わり、後は販売準備と最終の打ち合わせを残すのみとなっていた。
圭都と二人でスタッフパスを首から下げ、運営本部に顔を出しに行こうとしていた。
すると、森川が最終準備のために本部から出てきた。
「お疲れ、森川」
「お疲れ様です。すみません、慌しくて」
圭都が声をかけると、私たちに気が付いてこちらの方に向かってきた。
疲れた顔を上げて少しだけ笑った。
「疲れてるね。大丈夫?」
「大丈夫だ。期待の方が大きいからな」
そう言った森川は、疲れた中にも楽しそうな顔を浮かべていた。