だから私は雨の日が好き。【冬の章】※加筆修正版
黎明...レイメイ
白い光と黄色味がかったオレンジ。
遠くの雲は、少し薄いピンクのようにも橙色にも見える色。
湊に抱かれた腕の中から窓の外を見ていた。
まだ少しちらつく雪は、夜中からずっと降ったり止んだりを繰り返している。
太陽が顔を出し始めたのにまだ雪が降るなんて。
でもその景色はとても綺麗で、いつまでも見つめていたいと想っていた。
二〇〇三年一月一日。
私は、二十歳になった。
湊と出逢って十五年。
いや。
十六年目を迎えた。
湊は四月で二十七歳になる。
もう誰も、『ロリコン』なんて言わなくなる。
中学の時。
私は十二歳で、湊は十九歳だった。
今考えれば犯罪のような年齢差だったのに。
年齢を重ねると、七歳の年齢差なんてたいしたことではないように感じていた。
そのことが私をとても嬉しくさせた。
同じ『二十代』。
湊につり合う『女性』になれるだろうか。
隣に並べる存在になっていけるだろうか。
すやすやと後ろから聴こえてくる寝息がいとしい。
私に絡まる腕に、ぎゅっと力を込めた。