行かないで…
二人の過去
20年前…
「幸、雪乃ちゃんよ
可愛い子でしょ?ほら、挨拶しな さい」
君と私は出会った
「さち、です。よろしく、ね。ゆ きの、ちゃん。」
ーコクン
私は小さく、小さく頷いた
まだ記憶に無いときに私は病気に なったらしい。
私のお母さんもお父さんも私に友 達がいないのでは、と心配して幸 君のお母さんに頼んだって後から 聞いた
「ゆきの、ちゃん。おはなし、し よ?
ぼくね、いま5つなんだ!
ゆきのちゃんは?
なんさい?」
私はその時5本の指を立てた
無愛想な私に幸君は
「わぁぁ!ゆきのちゃん、ぼくと 、いっしょだぁ!」
嬉しそうに笑った
その笑顔を忘れたことはない