教師の恋愛日

「舞矢君はこの後前に来てください、以上」

帰りの号令を済ませると、舞矢が嫌々前に出てきた。

「何すか」

「橘先生が舞矢君と話したいって、技術室にいます」

「ちっ」

舌打ちして教室から出ていく。

胸が痛むこともなく、美保はまだある舞矢のバックを見つめながら、教室で時間を過ごした。


「センセイ?」

「んぁっ……おっ!」

教卓に突っ伏して眠ってしまった美保は、唇の端が切れた舞矢に起こされた。


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