教師の恋愛日
「痛でっ!」
パッと唇が離れ、足先で唇の傷のある場所に手を当てる舞矢が映った。
「痛って~、開くと激痛」
へこむ舞矢を蹴り、立ち上がって保健室の鍵を掴んだ。
「出るよ」
「ん」
何事もなかったような素振りで舞矢を帰らせ、美保も自宅に戻った。
{何なの、何なの、何なの、何なの、何なの、何なの、何なのっ!}
自宅の玄関で靴も脱がずにしゃがみ込んで考えるが、全く分からない。
{落ちつけ、彼は私にキスをした…ここまでは何となく分かるぞ。…何故されたのかが分からない}